親孝行から孔子へ (10)「和」の語源。
前回は、
孔子の目指した
「和」について書きました。
ところで、
そもそも「和」という言葉は
どのような意味を持っているのでしょうか。
「和」という漢字の意味を調べてみました。
平和の「和」。
「和」という漢字の意味は、
「禾」と「口」から成ります。
「禾」は軍門に立てる標識の木の形だそうです。
二つ並べた「秝(れき)」という字が軍門の形。
「口」の方は、神様への祈りの文である
祝詞(のりと)を入れる器の形。
その器を置いた軍門の前で
誓約して媾和(こうわ)すること、
つまり、
戦争をやめて、平和な状態に戻すことを
「和」と表したのだそうです。
ここから、
「やわらぐ、やわらげる、なごむ、なごやか」
の意味につながっていきます。
[ 白川 静,『常用字解』, 平凡社 (2003) より]
「和」の意味。
人生には思いも寄らないようなことが
起こりますが、
その出来事によって生まれた
感情の偏りや
派生した諸々の問題などが
しだいにおさまり、
すべてが然るべき節度に
ぴたりとかなっている状態、
つまり、
正常な調和を得ている状態を
「和」という漢字が表しているようです。
あらゆるものが
自然な「あり方」に落ちつくとき、
健全な生育というものを
とげることになるという
自然の法則をも含めた意味が、
「和」という言葉には込められているようです。
孔子の目指した「和」。
孔子は、
このような天道に法(のっと)り
自らの品位の向上をめざしながら
「和」の実現を目指す実践の道を
「礼」として成文化し、
教育によって「和」に至る
道を開きました。
私達が生きる前提としてある
社会との関わり。
このような人と人との「和」、
人間関係における「和」は
教育によって実現することができると
孔子は説いています。
次回は、
その方法について
孔子が語った言葉を
ご紹介したいと思います。
