Creation:調和が訪れるとき
『 pinky water lilies 』<透明水彩画 (56cm×45cm framed)> by NORi
この睡蓮の作品は
「調和の訪れ」をテーマに描きました。
制作を始めたのは
息苦しさや違和感を覚え、
自分の限界を思い知らされるような時でした。
すぐに行き場を見いだせない状況の中でも
いつしか肩の力がゆっくりと抜けていき、
ささやかながら
「今この地に、足がしっかりついている」
という実感が
心を穏やかに支えていました。
ただ
ありのままの自分だけが
ポツンとそこに在る。
しばらくすると、
どこか懐かしい想いにも似た
温かい希望を感じ、
空っぽになった心の自分でも
今いる場所で、できる範囲で
誰かのために精一杯力を尽くすことが
できるのだと、
静かな想いが広がっていくのを感じました。
気づかぬうちに閉まってしまった心の扉も、
人はいつか自力で開けるのだと思います。
自由である心と、
この世とのつながりを実感させてくれる体が、
私たちを導いてくれている。
この絵は、
そんな「心の調和」が訪れる瞬間を
描いています。
■ 個展での出会いとシンボル・アート
『 pinky water lilies 』<透明水彩画(作品の一部)> by NORi
この絵を通して
ある方との大切なご縁をいただきました。
その方はお店を経営されており、
愛すべき素晴らしい従業員に恵まれていることに
心から感謝していると、
穏やかな口調でお話しくださいました。
従業員の方々と
その先にいる家族の生活と幸せのために、
今日もお店を開けておられます。
そんな謙虚なお姿が、
深く心に響きました。
このたび、その方が新たに展開される
お店のシンボル・アートとして、
この絵を飾ってくださることになりました。
店舗内装の打ち合わせの時期に
絵をお届けし、後日、
完成した店内の写真が送られてきました。
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真っ先に目に飛び込んできたのは、
鮮やかなブルーの美しい塗り壁でした。
この作品に合わせて
壁の色を選んでくださったのです。
感動して言葉がありませんでした。
お店はオープン初日から大盛況で、
そんなお忙しい中にもかかわらず
手書きのお礼状まで送ってくださいました。
その方の根底に流れる深い愛情と
きめ細やかな優しさに、
心が温かく包まれるようでした。
このたびの一連の出来事は、
私にとって本当に貴重な体験となりました。
小さな御縁を
大切にしてくださる方がいることに、
心から感謝の気持ちで一杯です。
この方のお人柄が
おしゃれなお店全体に広がり、
従業員の方々とそのご家族、
そして
このお店を訪れるたくさんの方々が
素晴らしい時間を共有されることを
願っております。
描き手の祈りが、
誰かの優しさと響き合い、
社会の中に広がっていく。
水彩画が繋いでくれた、
かけがえのない循環の記録となりました。
これからも精進を重ねて参りたいと思います。
————– watercolorist NORi
