《父の物語》なぜ勉強するの?
『なんで勉強するの?』
と、父に聞いたことがありました。
ちょうど
家の二階から階段を降りる途中だったことを
覚えています。
一階で食事の準備をしていた母から
ご飯できましたよ!
と、声がかかって、
二階にいた家族全員が一階に降りてくる、
そんなシチュエーションだったと思います。
父の答え。
このタイミングでその質問を投げかけた私に
階段を降りながら
父はこう言いました。
『人に優しくなるためだと
お父さんは思うよ。』
父のこの言葉は、
小学生の私が
最高に嬉しい気持ちになった出来事 No.1 に
一気に登りつめました。
その時の喜びといったら
ぱあ~っと光が差し込んでくるような、
もしかすると自分から
何かしらのビームが出ちゃうくらいの、
無敵の力を得たような
そんな感覚でした。
勉強は希望。
勉強するのは、『人に優しくなるため。』
勉強の先には、
沢山の人の喜びや希望がある。
何もしなくても刻々と流れていく毎日の中で、
勉強を通して
新しいものの見方を知ることは
自分の生きている毎日が
どれほどの豊かさに包まれているものなのか、
そのことに気づかせてくれると知りました。
勉強することで、
何も感じずに通りすぎていた自分が
意識的にまなざしを向けることを知り、
感動し、
喜びまでも感じることができることも知りました。
勉強の力は本当に偉大だなと思います。
それはもちろん、
それを求める他の人にも
何かを伝えることができる
普遍的な叡智でもあるはずです。
道半ば。
勉強して、最後は
大切な人を大切にできる優しさを身につける。
小学生の私は
勉強の定義を
そのように決めました。
人を大切にするという
本当の意味を考えるたびに、
いつも暖かく見守ってくれている
父への深い感謝の気持ちに包まれます。