絵の探求と日々のあれこれ

Color| 同じ名前の、違う色

    
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Color| 同じ名前の、違う色

今回は少し話題を変えて、透明水彩絵の具のメーカーによる違いといった少しマニアックなお話をしてみようと思います。


まずは衝撃の事実をお伝えします。

実は、同じ名前の絵の具でも、
メーカーによって色が違います!


例えば、英国W&N(ウィンザー&ニュートン)社の「バーントシェンナ」と日本のホルベイン社の「バーントシェンナ」は違う色です。どのように違うのかと言いますと、W&Nは赤みが強く落ち着いた土の色をしていますが、ホルベインは透き通るように鮮やかです。

同じ名前なのに、そのようなことが……?と、かつての私は驚きを隠せませんでした🤭


上の2つのブランドはどちらも最高品質の絵の具で、併用して使っても問題ないのですが、とにかくびっくりするわけです。もちろん、今持っているメーカーの絵の具を混色して自分の好きな色を目指すこともできますが、他にも色々と使ったことのないブランドの色も試すことで、発色や粒子感の違いなどの発見もあって、さらに豊かな色彩を安定したクオリティで絵に取り入れることができる可能性が膨らみます。

ブランドごとの絵の具の「個性」と、自分の目指す作品の「あるべき姿」に合わせて使い分ければ良いということになります。試し塗りでそれぞれの絵具の滲みや発色の違いを試しながら、それぞれの絵具が持つ「意志」のようなものに耳を傾け、最適な組み合わせを見つける。そんな色の探求は、尽きることがありません。


今日、パレットに「コバルトグリーン」という色を出しました。この色は、コバルトと亜鉛などの酸化物から作られる、少し重たい粒子を持っています。水に溶くと、重力に従って紙の凹凸へ沈殿しようとする性質(グラニュレーション:Granulation )があります。

わたしが描こうとしている森で見つけた若草の光には、単に明るいだけではなく、こうした「物質の重み」を秘めていたように思います。


今回はこのへんで。
どうぞまた、お付き合いください🌸

NORi


「コバルトグリーンの濃厚な顔料の”重なり”や”沈殿のムラ”といったミクロな真実は、どこか典雅な生を思わせる輝きを放っているように、わたしには見えます。」