どう描くかは画材が教えてくれる
皆様は、一枚の絵がどのようにしてできると思われますか?
もちろんこれは作家本人の制作スタイルにもよりますが、その道のりは、選ぶ画材によって驚くほど表情を変えます。今回は、そんな絵の制作についてお話してみようと思います。
画材というのは、鉛筆で描くのか、墨で描くのか、水彩絵の具を使うのか、油彩絵の具で塗るのかといった絵の具の種類や、紙に描くのか布に描くのか、木の板に直接塗るのか、そういったあらゆる道具を含みます。
鉛筆であれば、紙一枚からすぐに描き始められ、消しゴムで跡を消すことも叶います。対して水墨画は一発勝負ですね。洗練された筆さばきがあってこそ成り立つ技法です。
一方で、油彩画のように不透明でカバー力のある絵の具ならば、失敗してもまた上から絵の具を塗り直すことができるので、塗りながら絵の完成度を高めていくことができます。
そして、私の専門である透明水彩。
透明水彩は、その名の通り『透明であること』が最大の特質です。一度置いた色は、後に塗る色を拒まず、かといって覆い隠されることもありません。光を通し、重なり合うことで美しさを増すこの技法には、また別の『法則』が働いています。
画材の持つ『法則』とは、その画材の特徴(個性)であり、自然科学的な視点から見れば制約・限界でもあります。つまり、「画材の方が、どう描けばいいのかを教えてくれている」とも言えるのです。
次回ももう少し、画材のお話をしてみようと思います。
どうぞまた、お付き合い頂けたら嬉しいです🌸
NORi