親孝行から孔子へ (11)「和」を導く方法。
前回は、
「和」という漢字の
成り立ちについて書きました。
孔子は、
互いに信頼し合い
思いやりをもち
温かく喜びにあふれた
楽しい生活をもたらす
「和」の道を説き続けました。
その方法を
「礼」と呼びました。
「礼」とは
孔子は「礼」について
次のように言っています。
礼の用は和を貴(たっと)しと為す。
先王(せんおう)の道も斯(これ)を美と為すも、
小大これに由(よ)れば、行(おこな)われざる所有り。
和を知って和するも、
礼を以ってこれを節せざれば、
亦(ま)た行わる可(べ)からず。
-『論語』学而篇(がくじへん)より-
「和」は「礼」によってもたらされる。
意味は次のようになります。
『 礼というものは
和(やわ)らぎ調和する
ということが大切で
尊いこととなってくる。
古(いにしえ)の聖王も、
この和をもって美しいものと
考えていた。
しかしながら、
小事を行う場合にも
大事を行う場合にも、
すべてこの和だけによって行うとなると、
かえって実際には
うまくいかない場合が出てくる。
つまり、
和が大切であることを知って、
和らぐことばがりを計ろうとしても、
礼をもって適当にこれに
節度を加えて行かなければ
やはりうまく運ぶものではないのである。』
「礼」を身につける。
すべの人が温かく喜びにあふれた
楽しい生活をもたらす
「和」の状態は、
自分も、相手も
傷つけることなく
本当の信頼関係を築いていく方法であり、
つまり
「礼」を身につけることで
自然ともたらされるものである
と、説いています。
習慣の力
孔子の生きていた時代は、
戦乱に明け暮れた
「不和」の時代でした。
しかし、
それは人間本来の姿ではないと
孔子は考えます。
そして、
習慣の力に着目するのです。
一人ひとりの個性や存在を大切にしながら、
その人の習慣や行動の方を
教育によって変えることで
すべての人が
喜びにあふれた生活ができる
「和」の状態が実現できる
と説いています。
次回はさらに具体的な内容に
触れていきたいと思います。
